眼瞼けいれん・片側顔面けいれん
眼瞼けいれん・片側顔面けいれん
症状や原因
- 眼瞼けいれんは、眼の周りの筋肉(眼輪筋)が不随意に収縮することで、まぶたの開閉が制御できなくなる状態です。40~70歳の中高齢者で発症することが多く、男女の比率はほぼ1対2で女性に多くみられます。
眼輪筋を含む顔の筋肉は、脳から出る顔面神経によって制御されています。両側性の眼瞼けいれんは、ストレスや眼の疲れ、一部の薬剤などが原因となることがあります。一方、片側性の場合は、脳から出た顔面神経が筋肉に至る途中で血管や腫瘍によって圧迫されることで発症します。 - 片側顔面けいれんも同様ですが、多くは片側性で眼瞼から始まり、けいれんが顔面全体に広がります。女性に多く、目の周り、口の周りから頬や顎の筋肉がひきつるようになり、自然に治癒することはありません。
治療方法
- 薬物療法: 抗けいれん薬や筋弛緩剤などの薬物治療をまず行います。
- ボツリヌス療法: ボツリヌス毒素を筋肉に注射することで、筋肉の過剰な収縮を抑制し症状を改善します。外来にて短時間で治療を行うことができ効果の高い治療方法ですが、けいれんを根本的に治す治療ではありません。これにより症状は2~3ヶ月の間抑えることができますが、症状が出てきた時点で再度治療を受ける必要があります。
当院でもボツリヌス療法を実施しております。
「ボトックス」 [グラクソ・スミスクライン社製] - 手術治療:眼瞼けいれんに対してはまぶたが開きやすくするよう、まぶたの筋肉や皮膚を短縮する手術があります。片側顔面けいれんに対しては、顔面神経を圧迫している血管(場合によって腫瘍)を離す手術(微小血管減圧術)があります。